数寄和大津 |
2009/2/14(土) – 2/22(日) |
数寄和 |
2009/2/28(土) – 3/7(土) |
現在東京藝術大学大学院美術研究科博士課程に在籍し、蘭の研究を通し、独特の視点で絵画表現を行う中村恭子の作品展を開催致します。
大津展では新作過去作品合わせて20点程、東京展では10点程展示予定です。
植物、動物、文学、芸術が交わり合いあらわれた作品をぜひご高覧下さい。
中村恭子 「生殖の線―ハナバチ―」
隙を窺い、隙に付け込み、隙にあえて誘われ、隙に遊ぶ。
全てのものが隙を観測し、隙に参与する。
郡司ペギオー幸夫 (神戸大学理学部教授 理論生命学者)
適当に駒を一握りつかんで、将棋盤の上をばらまく。
そうしてできる図面の中にルール上、偶然詰将棋になっているものがある。
若島正 (詰将棋作家 京都大学大学院教授 英米文学者)
”解剖といってもここでは、内部から見て、生命の振る舞いにならいつつ、その生をさらなる世界へと組み上げていくことです。”
例えばランのオフリスは、メスバチに擬態しオスバチを誘い、交尾を繰り返します。
異質なランとオスバチの、本来、縁もゆかりもない不思議な営みが構成され、ランもオスバチも、戯れ合いながら互いの”生”の隙間に絡み合い、その関係は常に進化し、また思いがけない異質な存在と取込み合います。
この展示では、作品それ自体が生命のようにありたいのです。そして、訪れてくれる人にとっても、その鑑賞が様々な営みになる、そのような創発性を期待したいです。
生命の創造を今度は芸術の位相での展示として。
中村恭子
略歴
1981 | 長野県生まれ |
2005 | 東京藝術大学 美術学部日本画専攻 卒業 |
2007 | 東京藝術大学大学院 美術研究科絵画専攻日本画領域博士前期課程 修了 |
現在 | 東京藝術大学大学院 美術研究科絵画専攻日本画領域博士後期課程 在籍 |
展示
2001.12 | 東京藝術大学創作展「Garden Theater展」 作品「百朝顔図」,「箱庭の盆景曼荼羅」 |
2002.9 | 東京芸術大学美術学部+バウハウス大学ワイマール造形学部現代美術交流展「グリーンスペース展」学内公募選出 共同作品「The way through dark to light would be long and hard」,「How does plants voice effect others?」 |
2002.12 | 東京藝術大学アートパス取手 作品「忘れ得ぬ人々」 |
2003.12 | 東京藝術大学アートパス取手 作品「耳の庭」 |
2004.5 | 東京工業大学第2回DiVA芸術科学会展 作品・論文「耳の庭」 |
2005.2 | 平成16年度東京藝術大学卒業・修了制作作品展 作品「汀の精神」 |
2005.10 | 東京藝術大学日本画第一研究室発表展 作品「模造の岸辺」,「光の肉」 |
2006.9 | 東京藝術大学日本画第一研究室発表展 作品「モザイク病」,「豹ラン」,「ネコヘビ争乱図」 |
2007.2 | 平成18年度東京藝術大学卒業・修了制作作品展 作品「中空子苗の庭」 |
2007.3 | 長野県高森町蘭植物園企画展 中村恭子展「植物的方法」 |
2007.9 | 東京藝術大学120周年記念企画「自画像の証言」展 作品 自画像 東京藝術大学日本画第一研究室発表展 作品「生殖の線」2点,「汀の精神」,「文身」 |
2008.1 | 第47回全日本蘭協会洋らん展「サンシャインシティー 世界のらん展 2008」 中村恭子日本画作品展「ランの解剖学」 |
2008.3 | 長野県高森町蘭植物園企画展 中村恭子展「ランの解剖学」 |
2008.9 | 東京藝術大学日本画第一研究室発表展 「ランの解剖学」 「生殖の線」のシリーズ10点程度 |
2009.1 | 第48回全日本蘭協会洋らん展「サンシャインシティー 世界のらん展 2009」 中村恭子日本画作品展「生殖の線」 |
受賞
2004 | 東京工業大学第2回DiVA芸術科学会展 奨励賞 |
論文
2004.3 | 情報処理学研究報告,Vol.2004, No.24,7~10頁 共著「「耳の庭」の制作について」 |
2004.5 | 東京工業大学第2回DiVA芸術科学会展 作品解説集 共著「「耳の庭」の制作について」 |
出版物
2008.12 – 2010.12 雑誌「New Orchid」に連載中