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若山 卓 Taku Wakayama – 数寄和

若山 卓 Taku Wakayama

 

作品 略歴 コメント web site

― 作品を制作するのに大切にされていることは何ですか?

動物のように描けたらと思っています。動物はみな、屈託がなく、人のようにくよくよと思い悩んだり、行為に理由や原因をいちいち求めることはせず、いつも”いま”を生きています。例えば、小鳥がさえずり高らかに歌うのは、決してはじめから繁殖等のためではなく、そこには本能的な美への追及のようなものが必ずあって、彼らはやむにやまれずにそうして歌っているのだと、私は信じています。
自然の中の形が好きです。植物の葉の形、枝々が空に描く形、朽ち果て本質へ帰ろうとする形、霧の中に現れてまた消えて行く山の形・・・。スケッチはそのような心に触れた形を筆と手に覚えさせる作業であり、非常に大切にしています。
描く時、何かを伝えたくて描こうとは考えていません。ただ、対象への深い愛着や、執着のようなものに描かされている、と感じたことはあります。

 

― 画材や表現方法についてのこだわりにはどのようなものがありますか?

ジャンルとしての日本画に興味は無いのですが、和紙や岩絵具、墨、水、膠等の日本画材料には心から信頼を置いています。

 

― きこりという仕事へたどり着いた経緯やその仕事への思いについてお聞かせください

2003年夏、ある芸術家が山中に陶芸の窯を作るのを手伝ったことで様々な山仕事に出会い、そこがきっかけとなり、私はきこりをしています。
私が携わっている特殊伐採は、いわゆる造林や間伐といった山林での仕事ではなく、屋敷林や神社など街中の大木を扱うことが多い仕事です。一年ほど前からは空師として、空中での作業も行っています。強烈な緊張感の中で、ふと覚える、どこか特別な感覚・・・鳥に近づいたような感覚は新鮮で興味深く、鳥が好きな私は、なにか少し彼らの目線に近づけたのではと、うれしく感じたこともあります。そして鳥と樹木との関係は、想像していた以上に親しい関係だと知るのです。ただし、多くの場合きこりとしての自分は彼らにとって破壊者なのですが・・・。鳥は抗議の声を上げますが、木はいつも黙って伐られます。
きこりは非常に危険で過酷な熟練を必要とする仕事です。しかし、樹木という自分たちよりもはるかに長齢で巨大な命と向き合うこの仕事は、自分にとって絵を描くことと同じくらいに大切で、自身に必要な、修行だと思っています。